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コラム

2024.04.18

Cookieとは?基本情報やメリット・注意点・設定方法を解説

ソリューション

WEBサイトを利用していると「Cookie(クッキー)」という言葉を目にしたことがあるのではないでしょうか。CookieはWEBサイトの情報を一時的に記録することに使われています。

本記事では、Cookieの意味を詳しく知らない方や、Cookieを企業のマーケティング活動に活用したい方に向けて、概要やCookieを利用するメリット・デメリットを紹介します。また、各デバイスでの設定方法も解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

Cookieとは

Cookieとは、ユーザーがWEBサイトを訪れた際に、スマートフォンやパソコンに保存される小さなテキストファイルです。WEBサイトを閲覧すると、ユーザー専用のCookieファイルがデバイスに保存されるという仕組みになります。

具体的に保存されるのは、ユーザーがサイト内で入力したユーザー名やアドレス、パスワード、会員情報、買い物かごの中身などの行動履歴です。ユーザーの行動履歴が保存されることで同じWEBサイトを閲覧したときに、CookieがWEBサーバーに送信され、ユーザー名やパスワードなどが自動で表示されるようになります。

また、WEBサイトを管理する側がユーザーのCookieの情報をもとに、そのユーザーに適した広告を表示させるといった活用方法もあります。

Cookieはデバイスに保存されるテキストファイル

Cookieとはデバイスに保存される文字情報であり、一般的なテキストファイルと同じような性質を持っています。CookieはWEBサイトを閲覧したユーザーが必要とする情報を事前にユーザーのデバイスに保存し、ユーザーが訪れる際に保存した情報を送るという仕組みになります。

なお、Cookieのファイルサイズは非常に小さいため、どれだけCookieが増えていってもデバイスの空き容量を圧迫する心配はありません。

キャッシュとの違いとは

キャッシュとは、WEBサイト上の画像や、一部のページ情報を記憶するファイルのことです。キャッシュを保存すれば、ユーザーが再びWEBサイトを閲覧した際に、画像や大容量のデータを再度読み込む必要がなくなるので、インターネットの読み込みを早くすることができます。

Cookieとキャッシュは混同されがちですが、それぞれ目的が異なることを覚えておきましょう。Cookieはユーザーの個人情報を記録して、WEBサイト内の「操作」を快適してくれます。一方、キャッシュの目的は画像などの大容量データを一時的に保存することで、閲覧時の読み込み「速度」を快適にさせるものという違いがあります。

また、Cookieはテキストファイルですが、キャッシュはHTMLや画像データです。

Cookieの種類は2つ

こちらでは、2種類のCookieについて紹介します。主なCookieは、以下の2種類です。

・ファーストパーティークッキー(1st party Cookie)

・サードパーティークッキー(3rd party Cookie)

Cookieの種類は発行者によって異なり、それぞれ役割も異なります。

ファーストパーティークッキー(1st party Cookie)

ファーストパーティークッキー(1st party Cookie)とは、ユーザーがアクセスしたWEBサイトの運営者が発行しているCookieです。アクセスしたECサイトのアカウントIDやパスワード、買い物かごに入っている商品情報などが、ファーストパーティークッキーとして保存されます。

WEBサイト側で発行されるため、精度が高くユーザー行動を追いやすい特徴がありますが、ほかのWEBサイトでは利用できません。また、ユーザーが複数のデバイスで閲覧すると、同一ユーザーと判断できず、情報がバラバラに保存されてしまう点に注意が必要です。

サードパーティークッキー(3rd party Cookie)

サードパーティークッキー(3rd party Cookie)とは、ユーザーが閲覧しているWEBサイトとは別の第三者ドメインから発行されるCookieです。ファーストパーティーとは異なり、サードパーティークッキーは、別のWEBサイトをまたいで追跡することができます。似たような広告がサイトをまたいで表示されるのはこのためです。

近年は、第三者がユーザーの行動を追跡することがプライバシーの侵害をしていると問題視され、サードパーティークッキーが廃止される動きが見られます。

Cookieを許可・利用するメリット3選

ユーザーがCookieに許可を求められたとき、またはサイトを管理する企業側がCookieを利用するメリットを3つ紹介します。個人情報に関わる操作のため、メリットとデメリットを把握して判断できるようにしましょう。

ログインの手間が減る

Cookieを許可するとユーザーの基本情報が保存されるため、再び同じWEBサイトに訪れた際に、IDやパスワードを手動で入力する手間が省けます。WEBサイトの入力画面が開かれたときには自動でIDやパスワードが入力されている、またはすでにログインした状態になっているのは、Cookieを許可したことによるものです。

頻繁に使用するWEBサイトであれば、繰り返しIDやパスワードを入力するのが面倒と感じる人もいるでしょう。よく利用するネットショップやSNSなどのCookieを許可しておけば、ログインがスムーズに行えるようになります。また、Cookieを許可しておけば、パスワードやIDの設定をわざわざ覚えておく必要もありません。

ネットショップの買い物がスムーズになる

Cookieを許可しておけば、ネットショップでチェックした商品データなどが、サイトを閉じても残った状態になります。そのため、WEBサイトを開くたびにチェックした商品を再検索したり、買い物かごにアイテムを再追加したりなどの手間が省けます。

ネットショップを利用する際、購入を迷ってWEBサイトから離脱するケースはよくあるでしょう。一度購入を保留した商品も、再度アクセスした際にすぐ購入の手順に進めるようになっていれば、ユーザーの意欲を下げることなく、購買まで進めることができます。

購入までの工程が短縮されるため、ネットショップを利用するユーザーにとって便利な機能といえるでしょう。

マーケティングに役立つ

Cookieを設定していると、企業はWEBサイトを訪れたユーザーに関するさまざまな情報を効率よく収集できます。たとえば、ユーザーが閲覧したページをチェックし、どのような行動を取っていたかの経緯まで把握することができます。

ユーザー情報を活用した分析が進むと、自社の商品やサービスに高い関心のあるユーザーに絞って広告を配信できるようになり、効果的に広告を運用することができるでしょう。

Cookieを許可・利用するデメリット3選

ユーザーがCookieに許可を求められたとき、またはサイトを管理する企業側がCookieを利用するデメリットを3つ紹介します。ユーザーの操作を便利にし、企業にとっても情報収集のために役立つCookieですが、デメリットも存在します。Cookieの危険性についても、きちんと理解しておきましょう。

個人情報の流出リスクがある

Cookieでは、ユーザーのログイン情報やID、パスワードを保存するため、情報漏洩や流出のリスクが懸念されます。Cookieが不正に取得され、問題となったケースもあります。

個人情報が取得されれば、クレジットカードの不正利用など、大きな損害につながる恐れもあります。

サイトを管理していた企業側は、個人情報を流出させた責任を負うリスクが発生しますので、Cookieを利用する際は十分に気を付けましょう。

プライバシー侵害の問題がある

Cookieを許可すると、ユーザーがどのようなWEBサイトを閲覧して、購入や問い合わせなど、どのような行動を取っているかが第三者に知られる可能性があります。そもそもオンライン上の閲覧状況や、行動履歴などが記録として収集されていることに気づいていないユーザーも多いでしょう。

近年は、知らないうちに行動データを追跡・収集され、「ユーザーが何に興味を持っているか」を把握されることがプライバシーの侵害ではないかという声もあがっています。

サイトを管理する企業側としてはCookieはWEBマーケティングに欠かせないデータの一つでしたが、近年はユーザーのプライバシー侵害に対する懸念により、Cookieそのものが制限・廃止されるなどの対策が進んでいます。

端末があれば誰でもアクセスできてしまう

Cookieを許可してデータの保存が行われている端末であれば、本人ではない第三者が利用しても、アカウントにログインができてしまいます。

スマートフォンを紛失したり、複数の人物で使いまわしたりしている場合は注意が必要です。

端末が第三者の手にわたってしまうと、Cookieにより保存されているクレジットカード情報やSNSアカウントのログイン情報が不正に利用されてしまうリスクがあります。

Cookieを有効・無効化する方法

ここからは、Cookieを有効・無効に切り替えるための設定方法を紹介します。Cookieは、ユーザーの利便性向上や企業のマーケティングに役立ちますが、個人情報を取り扱うため漏洩のリスクを認識しておく必要があります。Cookieの許可を自身で判断して活用していくためにも、有効・無効の対応方法を把握しましょう。

iPhoneで設定する方法

iPhoneでCookieの有効・無効化を設定する方法は、以下のとおりです。

1.設定画面を開く

2.「Safari」を選択し「詳細」を選択

3.「すべてのCookieをブロック」で切り替える

iPhoneでは、すべてのCookieの有効・無効化の切り替えが行えます。

Androidで設定する方法

AndroidでCookieの有効・無効化を設定する方法は、以下のとおりです。

1.Google Chromeのアプリを開く

2.画面右上の縦に点が3つ並んだアイコンを選択する

3.「設定」を選択する

4.「サイトの設定」を選択する

5.「サードパーティーCookie」を選択する

6.「Cookie」の有効・無効を切り替える

Androidでは、Google Chromeのアプリから設定が可能です。

Google Chromeで設定する方法

GoogleでCookieの有効・無効化を設定する方法は、以下のとおりです。

1.Google Chromeを開く

2.画面右上の縦に点が3つ並んだアイコンを選択する

3.「設定」を選択する

4.「プライバシーとセキュリティ」を選択する

5.「サードパーティー Cookie」を選択する

6.以下3つの選択肢から設定を選択する

・サードパーティーのCookieを許可する

・シークレットモードでサードパーティーのCookieをブロックする

・サードパーティーのCookieをブロックする

自分にあった設定方法を利用しましょう。

Cookieを削除する方法

こちらでは、個人情報漏洩のリスクからCookieを削除したいと考えている方に向けて、削除方法を紹介します。

iPhoneで設定する方法

iPhoneでCookieの削除を設定する方法は、以下のとおりです。

1.設定画面を開く

2.「Safari」を選択する

3.「履歴とWEBサイトデータを消去」を選択する

なお、こちらの操作ではすべてのCookieと閲覧履歴が削除されます。Cookieとキャッシュを削除する場合は以下の設定を行いましょう。

1~2.は同じ操作で進める

3.「詳細」を選択する

4.「WEBサイトデータ」を選択する

5.「全WEBサイトデータを削除」を選択する

閲覧履歴を削除したくない方は、上記の方法を試してみてください。

Androidで設定する方法

AndroidでCookieの削除を設定する方法は、以下のとおりです。

1.Google Chromeのアプリを開く

2.画面右上の縦に点が3つ並んだアイコンを選択する

3.「設定」を選択する

4.「プライバシーとセキュリティ」を選択する

5.「閲覧履歴データを削除」を選択する

6.期間を選択

7.「Cookieとサイトデータ」のチェックボックスをオンにする

※ほかの選択肢はオフとする

8.「データを削除」を選択して削除、確認でもう一度「削除」を選択する。

閲覧履歴といったCookie以外の情報を残して削除が行えるため、選択肢をチェックして必要なデータを残せるようにしましょう。

Google Chromeで設定する方法

Google ChromeでCookieの削除を設定する方法は、以下のとおりです。

1.Google Chromeを開く

2.画面右上の縦に点が3つ並んだアイコンを選択する

3.「設定」を選択する

4.「プライバシーとセキュリティ」を選択する

5.「閲覧履歴データの削除」を選択する

6.「Cookieと他のサイトデータ」を選択する

なお、特定のWEBサイトのCookieを削除したい場合は、右上の検索ボックスでWEBサイトを検索し、該当するWEBサイトの右横にあるゴミ箱ボタンを選択します。

Cookieの廃止について

こちらでは、近年のCookieを廃止する社会の動きについて紹介します。CookieはWEBマーケティングに欠かせない要素の一つなので、企業のWEBに関わる人はきちんと把握しておきましょう。

サードパーティークッキーが規制される理由

2021年3月、Google社はサードパーティークッキーにおいてはすべての広告で「今後近い将来に個人を追跡しない」と発表しました。また、2024年末を目標にトラッキング用サードパーティーCookieのサポートを段階的に廃止する動きを進めています。

このような規制が進む大きな理由は、プライバシーへの配慮が挙げられます。海外では欧州諸国を中心にCookieに対する法規制が進んでおり、サイトを閲覧する前にCookieを受け入れを問う「事前同意取得(オプトイン)」が義務化されています。

日本ではまだ厳格にCookieを規制される法律はありませんが、世界の情勢からすると規制が重くなることはあっても、軽くなることはないでしょう。

日本でも2022年の4月に改正個人情報保護法が施行され、サードパーティークッキーが規制の対象となりました。

具体的には、サードパーティークッキーを第三者に提供する場合、提供元が提供先に対して本人の同意を得ていることなどを確認する義務が発生しました。

改正個人情報保護法は、欧州諸国の法規制ほど厳格に取り締まるものではありませんが、今後もCookieの規制が強化される可能性は十分に考えられます。

Cookieが規制された場合、どのような技術がCookieの代替技術として扱われるのか、今後も注目していく必要があるでしょう。今後ますますCookieに代わる技術が必要になると予想されます。

サードパーティーCookieに代わる技術

現在、サードパーティーCookieに代わる技術として話題を集めているのが共通IDです。共通IDには、メールアドレスなどのIDを生成する「確定ID」や、IPアドレスからIDを生成する「推定ID」などがあります。

共通IDはターゲティングの精度が高いことから活用を始める企業も増えており、今後も導入が進む手法であるといえるでしょう。

なお、ほかの技術としてGoogle社は「Topics API」をリリースしており、ユーザー個別に最適な広告を配信できる手段として、AndroidやChromeでの導入が進んでいます。

まとめ|Cookieはメリット・デメリットを把握して許可を判断しよう

Cookieは、ユーザーの個人情報を記録して利便性を高めるとともに、企業のマーケティングにも役立つファイルです。しかし、個人情報を取り扱っているため、漏洩のリスクがあると理解しておく必要があります。Google ChromeやiPhone、Androidでそれぞれ有効・無効や削除の設定ができるため、方法を把握しておきましょう。

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