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コラム

2024.01.22

インバウンドマーケティングとは?重要性や注意点をわかりやすく解説

販促

インバウンドマーケティングは顧客のニーズや思いに寄り添いアプローチする営業手法です。近年はオンラインサービスやSNSの発達から、顧客のニーズをスピーディーかつ詳細に察知できるようになりました。その結果、企業は把握したニーズを元に情報や商品を適切に提供する必要があり、顧客もまた反映を望んでいるでしょう。

本記事では、インバウンドマーケティングについて求められる理由や具体的な手法を紹介します。自社のPRや営業活動にお悩みの場合、インバウンドマーケティングに取り組んでみましょう。

インバウンドとは

インバウンドマーケティングに含まれるインバウンドは元々「内向き」という意味です。Web上でインバウンドという用語を検索すると、観光やコールセンターに関わる記事が多く見られます。

観光の場合は外国人客が国内旅行をすること、コールセンターの場合はお客様からかかってきた電話を指します。

いずれも外から内側に向けて人が動く、もしくはアクションがある状態です。今回紹介するインバウンドはマーケティング用語の1つで、顧客から自社にアプローチしてもらう働きを指します。

マーケティングにおけるインバウンドの意味

マーケティングにおけるインバウンドは自社から積極的にアピールするのではなく、自然な形で見込み顧客と出会う手法を指します。わかりやすく表すと「顧客に見つけてもらうマーケティング手法」です。

マーケティングといえば、企業が様々な媒体を通して見込み顧客にアプローチする方法が主流でした。しかし、近年は顧客の意識や社会のあり方が変化し、企業から押すだけでなく顧客からアプローチしてもらうのを待つ方法が求められています。具体的な取り組みとしては、企業のSNSやオウンドメディアなどです。

SNSの例としては「X(旧:Twitter)」や「Instagram」があります。企業が公式アカウントを開設し、商品のPRを行うほか、キャンペーンの実施や顧客の疑問に回答するなどの活用が見られます。

アウトバウンドマーケティングとの違い

インバウンドマーケティングと比較されるものにアウトバウンドマーケティングがあります。アウトバウンドマーケティングはDMの送付や電話、メールなどプッシュ型で見込み顧客にアプローチするものです。広くはテレビコマーシャルやダイレクトメール、街頭の広告看板なども含まれ、顧客に見てもらう点を重視して施策を打ちます。

インバウンドマーケティングが求められる3つの理由

マーケティングにおけるインバウンドとは、従来の「企業から攻める」ようなアウトバウンドとは対局にあり、顧客から見つけてもらう取り組みです。ここでは、インバウンドマーケティングが求められる3つの理由を紹介します。

アウトバウンドマーケティングの限界

インバウンドマーケティングが求められる理由として、アウトバウンドマーケティングの限界が挙げられます。アウトバウンドは人件費がかかったり人材の質が求められたりと課題が山積みです。そのため、アウトバウンドのみの営業手法では集客が難しくなるでしょう。

企業において製造の人件費や材料費削減、業務の効率化など様々なものの「減らす」取り組みが増える中、アウトバウンドマーケティングに割くリソースにも制限が出ています。また、近年はオンラインの広告が主流になっていることから、電話やダイレクトメールなど人が積極的にアプローチするアウトバウンドマーケティングは時代遅れともとられるでしょう。

顧客行動や販路の変化

ネットワークインフラの急速な発達もインバウンドマーケティングの必要性を高めています。顧客の購入販路が実店舗だけでなくオンラインにまでわたることから、企業が売上の上昇や経営を継続するためにはオンラインへの対応が不可欠です。
業界や店舗によってはオンラインの方が強い傾向も見られます。

オンラインでのやり取りになると、従来のアウトバウンド手法だけでなく、顧客が必要な時に必要な情報を得られるインバウンドのコンテンツが必要です。

顧客へのきめ細かな対応が求められる流れ

近年はSNSの発達から企業と顧客との距離が近くなっています。そのため、企業は顧客に対してきめ細かな対応が必要です。

実際にSNS上では、商品の不備について投稿したメッセージを企業が見て、謝罪や代替品の送付を行うケースも見られます。距離が近くなったからこそ顧客のニーズを機敏に察知し、インバウンドマーケティングで応える必要があります。

インバウンドマーケティングを推進すると顧客からは「私の考えに合致している」と考えてもらえ、優良顧客育成に発展する可能性もあるでしょう。

インバウンドマーケティングの具体的な手法

ここからはインバウンドマーケティングの具体的な手法を3つ紹介します。それぞれ活用や有効なターゲットが異なるため、自社の課題や目的に合わせて導入しましょう。

企業ブログ

インバウンドマーケティングの代表的な取り組みとして、企業ブログが挙げられます。企業の商品紹介はもちろん、会社のビジョンや従業員へのインタビューなど、全般的な情報を発信可能です。かつては無料のブログで発信する企業が多く見られましたが、近年はCMSの充実から各企業が趣向をこらしたブログを立ち上げています。

具体的なツールとしては、noteやAmeba、WordPressなどが代表的です。企業ブログはアカウントに登録し、すぐに使えるものから、WordPressのようにサーバーの契約やレイアウトを整えてから発信するものなど様々です。従業員の情報や企業のビジョンを発信すると、顧客の獲得だけでなく、採用活動にも効果が期待できるでしょう。

ホワイトペーパー

ホワイトペーパーとは、toBにおいてはクライアントに対し商談につながるサービス資料、toCにおいては顧客の自社商品購入につながる資料などのことです。元々は白書というニュアンスで使われていましたが、現在は自社情報やサービスを提案する資料として使われています。企業のホームページでは、サービス案内や企業紹介のページに「ホワイトペーパーのダウンロードはこちらから」との記載が見られることもあります。いつでも企業資料を顧客がダウンロードできる状態にしておくことで欲しい時に必要なものを提供できます。

ここでも注意したいのは、自社から送るのではなく、顧客が自らダウンロードすることが大切な点です。

オンラインセミナー

リモートワークやオンラインでの取り組みが増える中、セミナーにおいてもオンラインで実施する企業や団体が増えてきました。オンラインセミナーは「ウェビナー」とも呼ばれ、自宅や会社で世界のセミナーに参加できるメリットがあります。

これまでは会場に赴く必要があったセミナーですがオンライン会議ツールを使い自宅や会社からすぐにアクセスでき、聞きたい情報を入手できるようになりました。企業にとってはコストを抑えて集客ができ、セミナーへのハードルを下げながら参加者に資料を受け取ってもらうことが可能です。ただし、直接会話をしないため会場の温度感が伝わりにくい点には注意が必要です。

インバウンドマーケティングとコンテンツマーケティングの違い

インバウンドマーケティングとコンテンツマーケティングはほぼ同義で使われる用語ですが、インバウンドマーケティングのほうがより広い概念といえます。ここではインバウンドマーケティングとコンテンツマーケティングの違いを紹介します。

インバウンドマーケティングは「顧客に見つけてもらう」

インバウンドマーケティングは、購入や問い合わせなど具体的なアクションを目指して行うのでなく、「顧客から見つけてもらう」ことが目的です。そのため自社から攻めるのでなく、顧客に見つけてもらい、顧客が主体的に情報収集や認知を行うイメージを持ちましょう。

コンテンツマーケティングは「潜在的なユーザーを購買ユーザーにする」

コンテンツマーケティングでは、自社のコンテンツを通じて、潜在的なユーザーにアクションを起こしてもらう目的があります。そのため、インバウンドマーケティングと完全に切り離すのではなく、インバウンドマーケティングの一種にコンテンツマーケティングがあると考えましょう。

例えば、将来の資金繰りにぼんやりとした不安を抱えてるターゲットがいると仮定します。ターゲットは資産運用や節約などのコンテンツを読むことで、自分の悩みを顕在化でき、どのようにアクションを起こせばいいかわかります。それによりコンテンツを提供する企業に問い合わせたり資料をダウンロードしたりする動きが期待できるでしょう。

インバウンドマーケティング成功のポイントは3つ

ここからは、インバウンドマーケティングを成功に導くポイントを3つ紹介します。インバウンドマーケティングの実施には顧客目線での施策が欠かせません。

惹きつけられるか

まずは、作り出すコンテンツが人を惹きつけられるものかを意識しましょう。コンテンツのデザインや文章、画像など、ターゲットに適したアプローチができているかは重要なポイントです。専門家のアドバイスを受けることで、ターゲットの属性に合わせたコンテンツ制作を効率的に進められるでしょう。

また、アプローチ方法の吟味も大切です。SNSやメルマガなどターゲットの使用頻度が高いものに絞り、アピールすると良いでしょう。

信頼できるか

提供する情報の信頼度も施策の成功を左右します。自社が発信するコンテンツの情報に虚偽が紛れていると、企業の信頼低下につながります。一度失った信用を再び取り戻すには時間がかかり、その間の企業成長はストップしてしまうでしょう。発信する情報は、自社で検証したデータや公的機関が公開しているデータなど、根拠のある一次情報を活用しましょう。

また、自社で集めたデータやアンケート結果などを活用して情報発信すると、オリジナリティが高い施策を行えます。

満足できるか

施策の中で提供する情報はターゲットが満足できるものである必要があります。はじめに定めたターゲットが悩んでいることにアンサーを返せているか、具体的な対策を提案できているかなど、顧客目線でのコンテンツ制作が欠かせません。顧客が自社のコンテンツに訪れた結果、有益な情報を得られ、課題を解決したり生活の質が上がったりすると発信源の企業に対して特別な感情を抱くでしょう。

インバウンドマーケティングの注意点

ここからはインバウンドマーケティング実施の注意点を3つ紹介します。課題をクリアするためには自社の取り組みだけでなく、外部に委託する方法も有効です。

効果が出るまで時間がかかる

インバウンドマーケティングの施策は効果を実感するまで期間を要します。開始から半年や1年など、長いスパンで進める計画や心構えが大切です。しかし、コストをかけて打ち出す施策のため、できるかぎり早く効果を期待したり、思ったように効果が出ず、途中で挫折したりする企業も多く見られます。インバウンドマーケティングの施策は長期間かけて成果を出すものです。そのため、開始時に関係者全体で「時間がかかるため辛抱強く進めよう」と共通意識を持ち、計画を立てることをおすすめします。

ターゲットの行動分析が欠かせない

どのような属性に向けるか綿密に設定しなければ、結局誰にも効果がない施策になる可能性もあるでしょう。インバウンドマーケティングの施策は顧客に見つけてもらうものであることから、自社が狙うターゲットの明確化が欠かせません。

実際にコンテンツを作る前に、今一度「自社のメインターゲットはどの層か」「ターゲットの行動はどうあってほしいか」を確認してから施策を進めましょう。

リソースを割きにくい

インバウンドマーケティングは施策効果が出るまで時間を要することから、リソースを割きにくいという課題を抱えます。特に、人手不足の企業では「効果があるかわからないものに人手を割けない」と考えることもあるでしょう。また、取引先が発生せず、自社内のみで取り組む施策のため、後回しになりプロジェクトや制作が進まない可能性もあります。

新たにインバウンドマーケティングを行う場合、軌道に乗るまで専門のチームを結成したり、外部の専門家と提携して進めたりする方法がおすすめです。

まとめ

インバウンドという言葉は広い意味を持ち、マーケティングにおいては見込み顧客を自然に誘導する施策を指します。従来のアウトバウンドマーケティングとは異なり、顧客の行動や意思を優先するため、効果が出るまで時間を要するのが特徴です。その反面、顧客の満足度をダイレクトに実感でき、優良顧客を獲得できる可能性も秘めています。

インバウンドマーケティングの具体的な手法には、オウンドメディアやオンラインセミナーなどがあり、自社の目的やリソースにあった取り組みを採用することが大切です。もし自社でリソースが不足しており専門家のサポートが必要な場合は、外部への委託もおすすめです。オンラインでの市場が広がる中、企業の成長戦略にインバウンドマーケティングを取り入れていきましょう。

弊社では、これまでの実績を元に最適なプロモーション活動の支援が可能ですので、インバウンドマーケティングでお困りの方は、ぜひ一度お問い合わせください。

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