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2024.04.30

デジタルサイネージとは?活用のメリットや導入の流れを解説

販促

街中のいたるところにデジタルサイネージの普及が広まっています。デジタルサイネージとは、デジタルデバイスに広告物や情報をコンテンツとして掲載し流すものを指します。従来の紙のポスターや看板などと比べると、複雑なものと感じてしまい、なかなか導入できない企業も多いでしょう。しかし、デジタルサイネージは、デジタルデバイスならではのメリットがあります。

今回はデジタルサイネージについて、メリットやおすすめの活用シーン、導入のポイントを紹介します。デジタルサイネージの導入を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

デジタルサイネージとは

デジタルサイネージとは、ディスプレイやプロジェクターなどの映像表示装置を設置し、自社の情報を流すシステムです。公共交通施設や商業施設などで多くの場所で見られます。デジタルサイネージは広告としての要素はもちろん、新しいコミュニケーションツールとしても活用されています。

主に下記の場所で見かけることが多いでしょう。

・スーパーマーケット
・ショッピングセンター
・ドラッグストア
・病院
・ホテル
・銀行
・教育機関
・駅構内
・バス停

それぞれの施設によって、インフォメーションや価格の表示、各種フローの表示など用途は異なりますが、いずれも顧客に向けて適切に情報を提供する際に役立ちます。

デジタルサイネージは2種類ある

一口にデジタルサイネージといっても、細かく分類すると「スタンドアロン型」と「ネットワーク型」に分類できます。ここでは、デジタルサイネージの種類について特徴を紹介します。

スタンドアロン型

スタンドアロン型は、ディスプレイ内蔵のメディアプレイヤーを使用し、コンテンツを書き込んだUSBメモリやSDカードをデバイスに差し込んで映像を表示します。スタンドアロン型であれば、1つのデバイスのみで使用することができるため、デジタルデバイスに不慣れな方も扱いやすく、導入コストも比較的抑えられるでしょう。

また、スタンドアロン型はオフラインで使用するため、セキュリティーのリスクや通信不良においても強い特徴があります。ただし、コンテンツの変更においては手動かつ1台ずつ行わなければならないため、後述するネットワーク型よりも利便性はやや劣るでしょう。

ネットワーク型

ネットワーク型は、コンテンツをサーバーにアップロードし、ディスプレイに映像を表示します。Web上にアップロードしたコンテンツを使用するので、有線LANやWi-Fi等のネットワーク環境が必要になります。

なお、ネットワーク型はさらに分類され「オンプレミス型」と「クラウド型」に分けられます。オンプレミス型は自社や業者経由で専用サーバーを管理し、クラウド型はクラウド環境を準備したうえで、コンテンツの配信を行います。

ネットワーク型のメリットは、デジタルサイネージのコンテンツをWeb上で一括管理でき、コンテンツの変更が容易な点です。しかし、コンテンツの表示にネットワーク環境が必要だったり、初期費用がスタンドアロン型と比較して高くなる傾向もあるので注意が必要です。

企業がデジタルサイネージを取り入れるメリット

ここでは、デジタルサイネージを各企業が取り入れるメリットを3つ紹介します。デジタルサイネージの導入は、これまで紙媒体での広告効果が期待できなかった企業に適しています。

コンテンツ内容を柔軟に変更できる

デジタルサイネージの1つ目のメリットは、コンテンツ内容を柔軟に変更できる点です。デジタルサイネージでは紙媒体とは異なり、すべてのコンテンツを1カ所で最新の情報にアップデートが可能です。

広告や掲示内容等を豊富に扱う場合、多くの手間が発生します。紙ではコンテンツの再作成や印刷、貼り替えなど多くの人件費や工数がかかります。しかし、デジタルサイネージならWebデータのコンテンツを更新するだけで新しい情報に切り替えが可能なため、さまざまなコストを抑えられるでしょう。

動画の使用により視認性が高まる

2つ目のメリットは、顧客からの視認性が高まる点です。デジタルサイネージでは画像だけでなく、動画や音声が入った広告も配信可能です。そのため、紙の媒体と比べてコンテンツに注目を集めることができます。

紙や立て看板の場合、顧客は気づかずに通り過ぎてしまったり、関心がない人からは注目されずに素通りされてしまいます。しかし、デジタルサイネージなら目線を向けられていなくても音声で情報を届けられるため、関心がない人を含めて注目してもらえる可能性が高まるでしょう。

また、紙媒体にはない動きのあるコンテンツを表示することで、よりインパクトを持たせて情報を届けることができます。

ピンポイントのターゲットに訴求できる

3つ目のメリットは、ターゲットへの訴求が効率的に行える点です。デジタルサイネージではターゲットを細かく限定して配信できます。時間や配信内容をピンポイントにすることで、自社が狙ったターゲットを対象に最新の情報を伝えることができるでしょう。

従来の紙ポスターや看板の場合、一つの広告を長期間にわたって掲示することになるので、限られた情報のみしか宣伝できませんでした。しかし、デジタルサイネージでは時間帯や曜日に合わせてコンテンツを変更できるため、その場に集まるターゲットの傾向に合わせて、常に最適なコンテンツが配信できます。

デジタルサイネージの活用シーン

ここからは、デジタルサイネージの具体的な活用シーンを紹介します。デジタルサイネージは広告としてだけでなく、顧客に対する情報提供、イベントの空間演出等にも活用できます。

スポーツや音楽イベントの広告

デジタルサイネージはスポーツや音楽などのイベントでも、効果的な広告配信を行えます。スポーツイベントや音楽イベントでは多くのスポンサーが参加し、各種広告を打ち出しますので、デジタルサイネージを活用すれば、来場者に対してよりたくさんの情報を込めてプロモーションできるでしょう。

また、デジタルサイネージは屋内だけでなく、街中や公園など屋外の広告に使えるディスプレイもあるため、屋内・野外問わずさまざまなイベントシーンで広告配信が可能になります。

商業施設や駅中の情報案内板

デジタルサイネージは商業施設や駅構内の情報案内板としても活用できます。実際に商業施設の入り口で、各フロアにどんな店舗があるのか、施設の案内板として利用したことがある人も多いでしょう。

掲示板がデジタル仕様になっているので、顧客は自分が気になる店舗をタップし、情報を確認することができます。

行きたい場所を検索できる機能を搭載することで、ユーザビリティーが向上し、施設全体のイメージの向上にもつなげることができるでしょう。

イベントや店舗の空間演出

デジタルサイネージは広告や情報提供だけでなく、空間演出としても活用することができます。特別感のある空間づくりができることから、イベントや店舗の空間演出にデジタルサイネージを活用する企業が増えています。

展示会や国際会議など大きなイベントでは、デジタルサイネージの空間演出を活用し、情報を的確に伝えるだけでなく、会場全体のムードを高めたりすることも可能です。

店頭のメニュー看板

デジタルサイネージは飲食店のメニュー看板としても活用可能です。飲食店のメニューがランチタイムとディナータイムで変わる場合、デジタルサイネージを取り入れるとメニュー変更が容易に行えます。

メニュー変更を手作業で行っていると、常に更新作業の手間がかかり人件費もかさみます。デジタルサイネージなら、簡単に更新が行えるため、従業員の労力を大幅に削減できるでしょう。また、メニュー以外でも、飲食店の混雑状況や空席の状態、待ち時間を表示することで顧客満足度の向上も期待できます。

デジタルサイネージを選ぶポイントは5つ

ここからは、デジタルサイネージを取り入れる際に注意したい5つのポイントを紹介します。デジタルサイネージを導入する際は、初期費用や月額料金、メンテナンス費用がかかるため、自社の求める用途や、イメージを定めたうえでミスマッチのないサービス選択を行いましょう。

縦型か横型か

デジタルサイネージのディスプレイには縦型と横型があります。ターゲットや設置場所によって適切なディスプレイを選びましょう。

縦型のデジタルサイネージの場合は、歩行者の目線とあわせやすいという特徴があるため、飲食店のメニュー表や、街中にある看板などに適しています。ただし、Webで制作されるコンテンツは横型が基本になるので、使用する用途は限定的になります。

一方で、横型の場合は表示するコンテンツを汎用的に使えるため、情報掲示や広告などさまざまな用途で活用可能です。ディスプレイを導入する前に設置場所やターゲットをイメージして選択しましょう。

ディスプレイのサイズは適切か

デジタルサイネージのディスプレイサイズはさまざまです。下記の5種類の取り扱いが一般的です。

・32インチ
・42インチ
・46インチ
・55インチ
・75インチ

上記のインチ数は大きさではなく対角線の長さであるため、縦横比が変わってもインチ数が同じになる可能性があります。そのため、ディスプレイサイズを選ぶ場合は、縦横比とインチ数双方の数値をチェックしましょう。

ディスプレイとして主に採用されている縦横比は「4:3」のスタンダードか、「16:9」のワイドの2つですが、近年は16:9のワイドが主流です。

また、ディスプレイのサイズはコンテンツをどの距離まで届けたいかで選ぶと良いでしょう。一般的には、店内など近距離で情報を伝える際は32~46インチ程度、屋外で遠くの人にまで情報を伝える際は55~75インチ程度の大型ディスプレイを選択するのがおすすめです。

屋内・屋外で使える商品か

デジタルサイネージには、防水機能が備わっているものもあります。とくに屋外で使用する際は、急な雨に備えるため防水機能がついているものが必須となります。

また、屋外は屋内と比べて太陽光などの明かりが強いため、屋内よりも明るいディスプレイが必要となります。

機能が豊富な分、屋外用のディスプレイは屋内専用と比較してやや価格が高い傾向にあるものの、故障のリスクを減らし安心して使うためにも、なるべく屋外専用のものを選択しましょう。

費用は適切か

デジタルサイネージは種類はさまざまではあるものの、紙のポスターや看板と比べると費用は高くなる傾向にあります。屋内用で10〜40万円、屋外用では50〜300万円程度が相場です。この費用の内訳は下記のものが挙げられます。

・ディスプレイ
・STB(セットトップボックス)
・CMS(コンテンツ管理システム)
・コンテンツ制作代

ディスプレイを用意するだけでは、コンテンツを表示することはできません。コンテンツを表示するための機材や、Web上で管理するシステムや、さまざまなターゲットにあわせたコンテンツなど、準備するものは多数あります。

自社の予算に適しているかを十分に検討しながら導入を進めましょう。

耐久性やサポート体制は十分か

デジタルサイネージは初期費用が高い反面、長期的な使用や効果が期待できます。長く使うためにも、耐久性やサポート体制は購入前に確認しましょう。

デジタルサイネージは精密機器のため、故障する可能性は高いです。とくに防水機能が備わっていない屋内のデジタルサイネージなどは、不意なアクシデントなどで故障する可能性も考えられます。

そのため、導入前に保守や管理を業者に任せられるか、業者から必要なサポートを受けられるかを必ず確認しましょう。

自社で管理まで行える場合は問題ありませんが、外部のサポートが必要な場合は、サポート内容をきちんと確認します。また、サポート体制だけでなく、スタッフと緻密にコミュニケーションが取れる業者を選ぶようにしましょう。

デジタルサイネージ導入の流れ

ここからは、デジタルサイネージ導入の流れを紹介します。デジタルサイネージを導入する前に、自社で配信するコンテンツのイメージやターゲットを固めてから業者を選びましょう。

社内でコンテンツのイメージを固める

まずは、デジタルサイネージ導入において、下記の項目を決定します。

・導入目的
・ターゲット
・予算

デジタルサイネージの有効活用には事前の準備が欠かせません。「なぜ運用するか」「誰に向けて発信するか」等の目的を詳細に決め、社内で共有してから始めましょう。「周りがデジタルサイネージを取り入れているから」といった安易な理由では、コストだけがかさみ効果が見込めません。

目的やターゲットが決まったら、デジタルサイネージの大きさや種類、レンタルなのか購入するのかなどを決め、おおよその単価費用を計算します。単価が決まったら導入期間を定め、予算を確定させましょう。

依頼する業者を選定する

必要な項目を決定したら、デジタルサイネージの運用や購入を依頼する業者を選定します。業者は、ヒアリング内容をもとに担当者の要望に合わせたデジタルサイネージの商品やコンテンツの提案をしてくれます。自社の情報を伝えながら、いくつかの提案を受け、社内で検討してみましょう。

なお、ヒアリング時に不明点がある場合は、担当者に確認し、疑問を解消しておくと導入後のミスマッチを減らせます。依頼する業者の選定においては、扱っている商品の豊富さやクオリティーだけでなく、業者の担当者の対応も重視したいポイントです。

見積もりと契約を行う

依頼する業者が決まった後は見積もりと契約を進めます。契約前には導入した後のシミュレーションや、かかる費用を詳細に確認し、導入してからトラブルが起きないよう疑問点を解消しておきましょう。

システムの構築とコンテンツの制作を行う

契約が済んだらシステムの構築やコンテンツの制作を進めます。まずはハードウェアとソフトウェアの選定を行いましょう。次にシステム構築をした後、実際に流すコンテンツ制作を行います。

コンテンツ制作の段階は業者に依頼するほか、自社で行うことも可能です。自社にコンテンツ制作のリソースがある場合は、活用することでコストを抑えることもできます。

運用開始

配信体制とコンテンツが完成したらいよいよ運用開始です。運用前に、業者を通してデジタルサイネージの設置工事とセットアップを行いましょう。デジタルサイネージを運用し始めたら、常にデータ収集を行い、PDCAサイクルを回していきましょう。

コンテンツは一度配信して終わりでなく、ターゲットの反応を見ながら少しずつ改善していくことでより高い効果を望めます。業者のアドバイスを受けたり、実際の顧客の様子をうかがったりしながら、より効果的なコンテンツ制作を目指しましょう。

デジタルサイネージの導入を検討しよう

デジタルサイネージは新しい広告媒体として注目が集まっています。しかし、予算やターゲットの確認、導入目的を明確にしなければ期待する効果が得られず、コストだけがかさむ可能性が高いでしょう。まずはデジタルサイネージについて理解を深め、自社でどのような目的で運用するかを決めてから業者に依頼を行いましょう。

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