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2025.06.02

【保存版】ギフティングとは? インフルエンサー施策で失敗しないための完全ガイド

販促

インフルエンサーマーケティングの手法として注目を集める「ギフティング」は、多くの企業が効果的なプロモーション戦略として取り入れています。
ギフティングとは、インフルエンサーや一般ユーザーに自社商品を無償で提供し、SNSやブログでの紹介・レビューを促すマーケティング手法です。従来の広告と異なり、ユーザーの自発的な投稿や拡散を期待できるため、広告離れが進む現代において、より自然な形での商品訴求が可能になります。
本記事では、ギフティングの基本概念から実施方法、成功のポイントまで、インフルエンサー施策を成功させるための完全ガイドをお届けします。


1. ギフティングとは?基本概念と市場背景

ギフティングとは、インフルエンサーや一般ユーザーに対して企業が自社の商品やサービスを無料で提供し、SNSやブログでの紹介を促す施策です。主に費用面や従来の広告手法とは異なる表現で訴求できるという点で、近年急速に普及してます。

1-1. ギフティングの定義と特徴

ギフティングには大きく2種類あり、
①SNSへの投稿を必須としない代わりに、報酬は無しで商品を無料提供する「無償ギフティング」
②商品の無料提供に加えて、別途報酬を支払うことで投稿を必須とする「有償ギフティング」
があります。

提供する商品やサービスは、化粧品や食品、家電などの有形の場合もあれば、テーマパークなどの施設やカウンセリングなど無形の物であったり、クローズドなイベントへの招待など様々です。

投稿内容や表現方法は基本的にインフルエンサー側に委ねられているため、インフルエンサーの本音や率直な感想が引き出されやすくなります。この自由度の高さがフォロワーに自然な印象を与え、広告臭さを軽減できる点がギフティングの大きな特徴です。
逆に表現面に細かい制約がついたり、企業側の校正基準が厳しい場合にはこの手法は不向きなので、ケースにより使い分けが必要です。

1-2. ギフティングが注目される背景

SNSの普及に伴い、インフルエンサーの影響力は年々拡大しています。特に若年層を中心に「広告離れ」が進行する中、自然な文脈での商品紹介が好まれる傾向にあります。

また、予算面でも従来の広告手法より低コストで実施できるため、スタートアップ企業も取り入れやすいというメリットがあります。2023年の調査によれば、インフルエンサーマーケティングの市場規模は700億円を超え、その中でもギフティングの割合は年々増加しています。このトレンドは2025年以降も続くと予測されています。

2. ギフティングのメリットとデメリット

ギフティングを実施する前に、そのメリットとデメリットを理解しておくことが重要です。それぞれの特性を把握し、自社の目的に合った施策として活用しましょう。

2-1. ギフティングの主なメリット

ギフティングは低コストで効果的なプロモーションが可能で、従来の広告と比較して予算を抑えつつ多くのユーザーにリーチできます。特に新商品のローンチや認知拡大フェーズで効果的です。

また、インフルエンサーの言葉で紹介されることで信頼性が高まり、自然な文脈での商品紹介により広告忌避層にもアプローチできます。さらに、事前に許諾を取ることで投稿内容をUGC(ユーザー生成コンテンツ)として二次利用が可能で、自社SNSや広告素材としても活用できる点も大きなメリットです。

2-2. ギフティングのデメリットとリスク

一方で、ギフティングにはいくつかのデメリットやリスクも存在します。事前に理解し、対策を講じておくことが重要です。

無償ギフティングの最も大きなデメリットは投稿が確約されないことです。「ギフト以外の報酬を必要としない代わりに投稿を確約しない」という性質上、一定数投稿されないケースを織り込んでおく必要があります。また、インフルエンサーとの相性によっては期待と異なる投稿内容になる可能性もあります。
また、不適切な表現や誤った情報が投稿された場合、ブランドイメージを損なうリスクがあります。さらに、PR表記が不十分だとステルスマーケティング(ステマ)とみなされ、炎上や信頼低下につながる可能性もあります。
効果測定や定量的な評価が難しいというのも注意すべき点です。

無償ギフティングのメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット デメリット
低コストでのプロモーションが可能 投稿されない可能性がある
広告臭さの少ない自然な訴求 投稿内容をコントロールしづらい
インフルエンサーの信頼性を活用 不適切な表現や誤情報が投稿されるリスク
UGCとしての二次利用が可能 ステマと判断されるリスク
広告忌避層へのアプローチ 効果測定の難しさ

有償ギフティングのメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット デメリット
投稿の確実性が高い コストが発生する
投稿内容や表現の調整が可能 無償ギフティングに比べ広告色が強くなる可能性
高いエンゲージメントが期待できる インフルエンサー選定の難易度が高い
特定のターゲット層へのアプローチが可能 投稿までの調整に時間がかかる場合がある

メリットとデメリットを踏まえた上で、自社の目的や予算、リスク許容度に合わせてギフティング施策を設計することが成功の鍵となります。

3. 効果的なギフティングの実施手順

ギフティングを成功させるためには、明確な計画と戦略的なアプローチが必要です。以下では、効果的なギフティングを実施するための具体的なステップを解説します。

3-1. 目的設定とKPI設計

ギフティングを始める前に、何を達成したいのかを明確にしましょう。一般的な目的としては、商品認知度の向上、ブランドイメージの構築、購買行動の促進、UGCの獲得などが挙げられます。

目的が定まったら、それに紐づくKPIを設定します。例えば、投稿数、リーチ数、エンゲージメント率、公式アカウントのフォロワー増加数、サイト流入数、コンバージョン数などが代表的なKPIとして挙げられます。定量的に測定可能な指標を選び、目標値を設定しておくことを意識しましょう。

3-2. インフルエンサー選定

ギフティングの成否を左右する最も重要な要素はインフルエンサー選定です。フォロワー数だけでなく、以下のポイントを総合的に考慮して選びましょう。

  • ●自社ブランド・商品との親和性(世界観やトーンの一致)
  • ●ターゲット層とフォロワー層の一致度
  • ●エンゲージメント率(いいね・コメント数とフォロワー数の比率)
  • ●投稿の質や頻度、スタイルの一貫性
  • ●過去の商品紹介・PRポストの反応
  • ●投稿内容の信頼性・誠実さ

単にフォロワー数の多さだけで選ぶと失敗するケースが多いため注意が必要です。むしろ、フォロワー数が少なくてもエンゲージメント率が高いマイクロインフルエンサーの方が、費用対効果が高いケースもあります。

3-3. アプローチと依頼

インフルエンサーへのアプローチは丁寧かつ明確に行いましょう。DMやメールでコンタクトする場合、以下の要素を含めると効果的です。

まず、簡潔な自己紹介と企業・ブランド概要を示し、なぜそのインフルエンサーを選んだのか理由を伝えます。次に提供する商品・サービスの詳細と、期待する内容(例:商品の使用感のレビューなど。二次利用を想定する場合は事前に交渉。)、無償ギフティング想定の場合投稿自体は任意である旨を明記します。
PR表記の必要性やハッシュタグ、メンション、キャンペーン期間などの条件をわかりやすく伝えることが重要です。

最後に、質問や確認事項への連絡先を記載し、丁寧な締めくくりを心がけましょう。

3-4. 商品発送と進行管理

インフルエンサーから承諾を得たら、商品発送の準備を行います。この際、単に商品を送るだけでなく、ブランドの世界観が伝わるような工夫が効果的です。
商品と一緒に、あらためて依頼内容や注意事項をまとめた案内を同封しましょう。また、発送後は追跡番号を共有し、商品到着の確認を行うなど、丁寧なフォローアップが重要です。
進行管理では、発送リスト、連絡履歴、投稿状況などを一元管理できるスプレッドシートなどを活用すると効率的です。多数のインフルエンサーに同時にアプローチする場合は特に重要になります。

3-5. 投稿モニタリングと効果測定

インフルエンサーの投稿が始まったら、内容のモニタリングと効果測定を行います。投稿内容が適切か、必要なPR表記がされているかを確認しましょう。

効果測定では、設定したKPIに基づいてデータを収集・分析します。個々の投稿のパフォーマンスだけでなく、キャンペーン全体の成果を総合的に評価することが重要です。

また、反応の良かった投稿の特徴や共通点を分析し、次回のキャンペーンに活かすPDCAサイクルを回すことで、継続的な改善が可能になります。

4. ギフティングに適した商材と業種

すべての商品・サービスがギフティングに適しているわけではありません。効果を最大化するには、ギフティングと相性の良い商材や業種を理解することが重要です。

4-1. 高い効果が期待できる商材特性

ギフティングで効果を発揮しやすい商品には、いくつかの共通した特性があります。まず、視覚的にアピールできる商品はSNS映えするため効果的です。また、体験や使用感を伝えやすい商品も適しています。

比較的低単価で気軽に試せる商品や、ユニークな特徴・ストーリーを持つ商品は、インフルエンサーが投稿しやすく、フォロワーの興味も引きやすいという特徴があります。さらに、トレンド性の高い商品や季節性のある商品も、タイムリーな投稿として取り上げられやすい傾向にあります。

4-2. 業種別の適性

特に以下の業種ではギフティングの効果が高いことが明らかになっています。

業種 適性が高い理由
コスメ・美容 ビフォーアフターの変化が見えやすい
食品・飲料 味や体験の共有が自然にできる
アパレル・ファッション 着用写真が映える、コーディネート提案ができる
家電・ガジェット 機能性や使用シーンの紹介が効果的
旅行・サービス 体験の様子や感想を伝えやすい

これらの業種では、商品・サービスの特性とSNS投稿の親和性が高く、インフルエンサーの自然な投稿を通じて効果的なプロモーションが可能です。自社商材の強みを活かせるアプローチを検討しましょう。

4-3. 効果を高めるための商品提供の工夫

ギフティングの効果を最大化するには、単に商品を送るだけでなく、いくつかの工夫が有効です。
まず、インスタ映えするパッケージングやギフトボックスなど、開封時の驚きや喜びを演出することが重要です。

また、商品だけでなく、ブランドストーリーや開発背景を伝える資料を同封することで、より深い理解と共感を得ることができます。さらに、写真映えする小物や背景ツールを同梱すると、投稿のクオリティ向上につながります。
季節やトレンドに合わせたタイミングでの提供や、インフルエンサーの好みや特性を考慮したカスタマイズも効果的です。

これらの工夫により、インフルエンサーの投稿意欲を高め、より魅力的なコンテンツ制作を促すことができます。

5. ギフティングにおける法的留意点とステマ対策

ギフティングを実施する際には、法的な観点からのリスク管理が不可欠です。特に近年、ステルスマーケティング(ステマ)に対する規制が強化されており、適切な対応が求められています。

5-1. ステマ規制と最新ガイドライン

2023年に消費者庁から改定された「景品表示法の違反事例(ステルスマーケティング)」では、商品・サービスの提供者と投稿者の関係性を明示することが求められています。

ギフティングにおいては、インフルエンサーが「PR、提供、ギフト」などの表記や、「商品を提供いただきました」といった記載を投稿内で明示することが必須となっています。これらの表記がない場合、ステマとみなされ、景品表示法違反となります。罰則としては、企業に対する措置命令や課徴金などが定められています。

また、2023年のガイドライン改定では、投稿の最初などわかりやすく目につく場所に明示することが推奨されるなど、より具体的な表示方法についても言及されています。

5-2. インフルエンサーへの説明事項

ギフティングを依頼する際には、インフルエンサーに対して以下の点を明確に伝えることが重要です。

  • ●PR表記の必要性と具体的な表示方法
  • ●投稿は強制ではなく任意である旨
  • ●投稿する場合の推奨ハッシュタグやメンション
  • ●虚偽・誇大な表現を避けるべきという旨
  • ●投稿期限や公開期間の目安(ある場合)
  • ●二次利用の有無と範囲(企業が投稿をリポストする可能性など)

これらの説明事項を書面(メールやDM、同梱文書など)で明確に伝えることで、法的リスクを軽減するだけでなく、インフルエンサーとの信頼関係構築にもつながります。特に初めてのギフティングでは丁寧な説明を心がけましょう。

まとめ

ギフティングは、インフルエンサーや一般ユーザーに自社商品を無償提供し、自然な形での紹介を促すマーケティング手法として、多くの企業に活用されています。低コストで実施でき、広告臭さを抑えた自然な訴求が可能なことが大きな魅力です。

成功するギフティング施策には、明確な目的設定とKPI設計、適切なインフルエンサー選定、丁寧なアプローチと進行管理、そして効果測定と改善のサイクルが不可欠です。また、ステマ規制など法的留意点にも十分配慮する必要があります。

これらの知識と戦略を活用して、効果的なギフティング施策を展開し、ブランド認知拡大や売上向上につなげていきましょう。

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