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コラム

2022.04.22

コロナ感染症下での展示会について

PRイベント

Space Design Director:廣田 裕司

私は普段、企業様の参加する展示会やイベントの仕事を多く担当しております。
そこで、コロナ感染症が広まってからの展示会の変化を少し振り返ってみたいと思います。

東京ビッグサイトに見る2020年以前の状況

まず、みなさんご存じの通り、コロナ感染症は2019年末に中国から広がったといわれています。

そして日本国内では、2020年3月下旬には急速に広がっていきました。

そんな中、展示会がどのように変化していったのか、身近な例として東京ビッグサイトの展示会利用状況を見てみましょう。

2019年には展示会利用件数は227件、総来場者数は約1,314万人でした。

それに対して、2020年には84件、来場者数は約195万人にまで激減しています。

展示会件数で63%来場者で85%以上の減少となっています。

余談ですが、2019年は10月24日から11月4日まで東京モーターショーが開催され、2007年以降減少していた来場者が130万人を突破したのも話題になりました。

2020年の展示会

2020年3月末には東京オリンピックの延期も決定し、東京ビッグサイトも4月11日から5月末まで全館閉館しています。

この後も多くの展示会が開催中止や延期になりました。

そんな中2020年後半には、主催者がリアルの展示会の替わりにオンライン展示会を開催するようになりました。

私の担当するクライアント様もオンライン展示会に出展するということで、資料やパネルの作成等を実施いたしました。

黎明期のオンライン展示会に関しては、使われているプラットフォーム等で形式が異なり、参加する担当者も混乱・苦労していました。

また、アクセスはあるものの意義深いコミュニケーションはあまりとれていなかったようです。

2021年のオンラインからハイブリッド

2021年に入ると、少しずつリアルの展示会が開催され、それと同時にオンライン展示会も開催されるようになり、来場者も少しずつ増えていきました。

このようにリアルとオンラインを組み合わせた“ハイブリッド展示会”の開催も進み、

このころにはオンラインに掲載される資料のフォーマットも洗練され、担当者の手間も省かれるようになってきました。

また、ハイブリッド初期にはリアルには出展しないという企業様も出てきました。

ただ、ハイブリッドのオンライン展示会において、出展料を取るという形式は減っていたかと思います。あくまでリアルの展示会が開催できなかった時のフォローに移行していきました。

そして、2021年後半にはハイブリッド開催でオンラインに参加する企業が減ってきた印象です。

2022年リアル開催

2022年ではハイブリッド開催も減る傾向のようです。

2022年3月に東京ビッグサイトで開催された再生可能エネルギー関係のリアル展示会を振り返ってみます。

2021年の入場者数は約28,000人でしたが、2022年では約42,000人となり、オンライン展示会も実施されませんでした。

また、2021年ではリアル展示会で無人化の総合受付等も実施されていたのですが、2022年は受付も対面式となりました。

ただ、会場入口では全員消毒と検温を徹底し、マスクのない人には配布も実施しています。また、会場では空調はもとより、搬入口のシャッターなどを少し開放して換気に気を配っています。

昨年はスタッフを含む展示会参加者に接触確認アプリ(COCOA)のDLを義務化したり、スタッフ・参加者名簿の提出を求められたりしたのですが、対策のための規制も少しずつゆるくなってきているようです

Withコロナが続く限り、感染症対策はなくならないと思いますが、可能なところは省力化していけるような試行錯誤が続いていくと思われます。

展示会の仕事で心掛けていること

他の仕事と変わらないと思いますが、目的をしっかりと確認して何をしたいかを絞り込むことかと思います。

いくつかある場合は、優先順位をつければ良いと思います。

例えば、新製品の認知を広めたい場合、より多くの人に注目してもらうことが必要です。そこで、集客のために新製品の名入りアイテムを配布してブースに誘導し、ナレーターによる製品説明を実施して理解を深めるというような方法をとったりします。

ここで注意していただきたいのが、既存製品を新製品のとなりに並べて説明してしまうと、せっかくの新製品の存在感が薄れてしまうという点です。

そのため、新製品を中心に配置したレイアウトで、新製品を使った実演のデモを構成するなど、細かなところにまで気を配ることで、さらに効果的な展示会にすることができます。

このように私は、様々な視点から考えを巡らせ、結果的に「登場感ある演出でインパクトを残す」ことで、効果的な展示会になるよう作り上げていきます。

ディレクターからひとこと

人が集まり、相互のコミュニケーションが図れるイベントの開催が

こんなにも長きにわたり難しくなるとは誰しもが想像できなかった状況です。

中止や延期になっているイベントが、手をかえ品をかえて、少しでも開催されることを祈っています。

また、お手伝いできることがあれば何でもご相談ください。